学生取材しました!

地域と共に歩む サステナブル社会への挑戦

SDGs目標

  • 6. 安全な水とトイレを世界中に
  • 8. 働きがいも 経済成長も
  • 11. 住み続けられるまちづくりを
  • 12. つくる責任 つかう責任
  • 13. 気候変動に具体的な対策を

北海道から未来へつなぐSDGs-北海道コカ・コーラボトリングの挑戦


 持続可能な社会の実現に向けて、世界中で注目を集める「SDGs(持続可能な開発目標)」。その中でも北海道の自然と共に歩む企業、北海道コカ・コーラボトリングは、環境保全に積極的に取り組み、着実な一歩を踏み出しています。今回私たちは北海道コカ・コーラボトリングの取組や今後挑戦していきたいことなどを取材しましたので、みなさんがSDGsに興味を持っていただくきっかけになればいいなと思い記事を書きます。

環境に重点を置いた取り組み――「自分ごと」としてのSDGs

 北海道コカ・コーラボトリングがSDGsの中でも特に取り組んでいるのは、「環境」の分野。変化し続ける時代の中で、企業としての責任を果たすべく、環境保全への意識を強く持っています。特に「水資源の保護」への取組として注目されているのが、道内の各地域(水辺)で環境保全活動を行っている団体を応援する事業である「北海道e-水プロジェクト」です。社員が自ら現場で活動に参加し、水の大切さを実感することを大切にしています。「誰かがやるのではなく、私たち自身が取り組むこと」が基本姿勢です。

 しかし、課題もあります。それは「水の問題を自分ごととして捉えられない人が多いこと」「目に見える数字で成果を示しづらい」の2点です。このような課題への対応として「まずは体験してもらうことで、意識が少しずつ変わっていく。実際に体験してもらうことで、その価値を伝えることができる。」と広報・サステナビリティ推進課の朝日さんは語ります。
 自然の中で水と向き合う経験を通じて、多くの人の環境への意識が変わるきっかけになり、その活動を通して意識が良い方向に変わっていくのだと取材を通しわかりました。また、環境保全活動をすることは「ブランドイメージ」のためだけではなく、自然豊かな北海道で事業展開させている北海道コカ・コーラボトリング創業以来の根本的な企業理念として古くから受け継がれてきたということもご説明いただき、私たちは心から感心しました。近年は、プロジェクトにパートナー企業や消費者も巻き込む動きが始まっており、より広がりのある地域連携を目指しているそうです。

ブランド戦略と地域活動の融合-地域と共に持続可能であるために

 北海道コカ・コーラボトリングは、地域社会との繋がりを大切にし、その活動が事業にどのように反映されるかを常に意識しています。特に自然豊かな北海道では、環境への配慮が事業活動と密接に繋がることから、「北の大地とともに」をスローガンに、創業当初から地域社会と共に歩んできました。ペットボトルのリサイクル推進に加え、地域の子ども食堂への支援などを通じて強い絆を築くことで、社会的責任を果たすだけでなく信頼関係を深めています。
 このように地域と共に持続可能であるために大切なのは、「ニーズの変化を敏感に捉えること」であるとのことです。常に「今、本当に必要なことは何か?」と問い続け、時代の流れに応じて支援の内容を柔軟にアップデートしていく姿勢が、持続可能な地域づくりへの関わりに繋がっています。
 そして、その地域との繋がりが、SDGs活動を通じて得られた最も大きな成果であるとも朝日さんは仰っていました。「やってよかった」と実感するのは、活動の場で地域住民の方々から「ご苦労さま」「いつも見てるよ」と声をかけられたり、他企業からSDGsに関する相談を受けたりする機会が増えた時だといいます。取組の価値を実感できる地域からの反応こそが、次の活動への大きな原動力となっているのです。

窓の向こうに見えるブランドの歴史

小さな改善が大きなインパクトに

 コカ・コーラ社製品の商品開発、ペットボトルの軽量化やラベルの簡素化等の製造に関することは日本コカ・コーラが担っており、環境に配慮した製造・流通の工夫を進めています。
 たとえば、ペットボトルの重量を0.1g単位で削減することで、原材料の使用量を抑え、CO₂排出量や輸送コストの削減にもつなげています。また、ラベルの簡素化や使用済みペットボトルを新たなペットボトルに生まれ変わらせる「ボトルtoボトル」により、プラスチックごみの削減にも貢献。
 北海道コカ・コーラボトリングでは、リサイクルの方法を分かりやすく伝えるオリジナルロゴを制作して、行動変容を促すほか、家庭からでるペットボトルをコカ・コーラのペットボトルにリサイクルする「ボトルtoボトル」の協定を各自治体と締結するなど、ペットボトルは正しくリサイクルすれば貴重な資源であることを訴求し、循環型社会の実現を目指しています。

学生から始めるSDGs:未来のために、今できること

 持続可能な社会を目指す取り組み(SDGs)は、企業だけでなく、私たち一人ひとりの行動によって支えられています。北海道コカ・コーラボトリングでは、環境や社会に配慮した活動を社員一人ひとりが「自分ごと」として考え、積極的に取り組んでいます。この考え方は、学生にとっても非常に大切な学びのヒントになります。ここでは、今回の取材を通して得た、日常生活や学校生活の中で意識できる6つの気づきを紹介します。
1.「自分ごと化する」
2.「小さなことにも意味がある」
3.「なぜやるのか?の疑問を持つ」
4.「当たり前、無意識の習慣を見直す」
5.「行動を仲間と広げる」
6.「地域とのつながりを意識する」
 学生がSDGsに取り組むにあたって重要なのは、「自分の中にベースとなる考えを持つこと」だと感じました。たとえば、学校でのごみ分別やリングプル集めなど、身近な行動を通して「なぜそれをするのか」「どれくらいの量が出ているのか」「誰のためになるのか」を疑問として持ち、深く考えることが大切になります。普段の生活に染み付いている習慣を一度立ち止まって見直すことで、自分にできるSDGsへの関わり方が見えてくるのです。

まとめ:持続可能な社会は「行動」から始まる

 北海道コカ・コーラボトリングの取り組みから見えてくるのは、「SDGsは企業だけでなく、一人ひとりの個人が自分ごととして考え、行動することが大切である」というメッセージです。環境保全も、資源のリサイクルも、地域とのつながりも、すべては小さな一歩の積み重ね。企業の活動を知ることは、私たちが日常でできるアクションを見直すきっかけにもなります。これからの時代、自分の足元から始めるSDGsが、より大きな社会の変化を生み出していくのかもしれません。

取材を通じて

 今回北海道コカ・コーラボトリングを取材・見学する中で実際の製造ラインを見る機会があり、そこで見た倉庫の大きさは10階建てのマンションと同じ高さと聞いて想像がつかない中、実際に見てみたら、3人とも素の「おー」が出るくらい迫力がありました。取材の中で関心を持ったのは、環境のこともそうですが、とても従業員のことを考えて職場の雰囲気を作っているところでした。例えばフレックスタイム制度を活用して働き方の幅を広げたり、他の会社にはあまりない男性の育児休暇消化率100%など、働くならこういう会社がいいなという印象を強く持ちました。働き方の幅が大きいことと、取材を通しての松岡さん朝日さん柿崎さんの雰囲気を見て、とてもいい会社だなと思いました。(吉田)
 今回の取材では、マーケティング戦略や製品開発の裏側を直接聞くことができ、とても勉強になりました。世界的なブランドでありながら、地域ごとに異なるニーズに応える柔軟さを持っている点が印象深かったです。今後の自分の活動にも参考にしたいと感じました。(吉崎)
 今回の取材を通して、コカ・コーラというブランドの裏側にある多くの人々の努力や工夫、そして大切にしている価値観に触れることができました。楽しく、そして学びの多い一日でした。本当にありがとうございました。(関)

取材に対応いただいた皆さま(左から朝日さん、松岡さん、柿崎さん) 【札幌商工会議所付属専門学校 右から吉﨑、吉田、関】